【書評:1冊目】100歳まで元気な人は何を食べているか?
大切なのは長寿菌!!
みなさん腸内環境のことを考えたことはありますか?全国の健康長寿地域の長寿菌を増やす食習慣を参考にすることによって、健康を保ちましょう!!
この本の紹介文
普段食べているものが腸内にどんな影響を与えているのか考えたことはありますか?
日本各地に存在する長生きな人が多く暮らす町や村があります。そこに暮らす人々は普段何を食べて、何を飲んで長生きをしているのか。その秘密を解き明かしていき、その方法を現代の食生活に当てはめた改善策が多く提示されています。
健康を意識せずとも健康に長生きをする人たちには、隠された食習慣があります。現代の日本の食が欧米化する中で古来からの日本の食習慣をもう一度見直す必要があるのではないでしょうか?日本の発酵食品、野菜、海藻などの重要性が説かれています。『何歳までも健康でいたい、長生きしたいと思っている人』にオススメの一冊です。
本が分かる!7の要約ポイント
肉の三倍野菜を食べる
「肉を食べても、それ以上の野菜を食べていれば、腸内環境の悪化は抑えられる」
厚生労働省によって野菜は一日350グラムが推奨されているなかで、日本人の食物摂取量は男女ともに290グラム以下です。肉を摂り過ぎると腸内に悪玉菌が増えてしまい、腐敗が起きやすくなり発がん物質がつくられやすくなります。また、動物の脂肪には飽和脂肪酸が多く含まれています。これは常温で白く固まり、がんになるリスクを高めてしまいます。野菜350グラムといったら、結構なボリュームになるので焼き肉やステーキで食べる量は100グラムほどが限度だということになります。「もっとタンパク質を摂りたい!」というあなたは納豆や味噌など、大豆製品を摂りましょう。大豆は畑の肉といわれるほど、タンパク質が豊富です。
酪酸産生菌を増やす
「酪酸産生菌が増えると肥満防止になる。」
酪酸は、短鎖脂肪酸の一種で脂肪が蓄積されるのを抑える効果があります。腸内でつくられた短鎖脂肪酸は、腸粘膜を通じて全身へと送り込まれ、各所でエネルギー源として利用されます。細胞の増殖や粘液の分泌、水やミネラルの吸収、肝臓や腎臓を動かすといった活動に利用されます。さらに、短鎖脂肪酸は単にエネルギー源になるだけでなく、ブドウ糖や脂肪酸が供給過剰になったときには、それらが脂肪細胞に蓄積されないように働くのです。つまり身体に脂肪がつきにくくなるということです。また短鎖脂肪酸は、腐敗菌など有害な菌の増殖が抑えられるため、腸内環境が改善されます。そして一番大事なのが『食物繊維をエネルギーとして利用できるのは酪酸生産菌だけ』だということです。野菜をたくさん食べて、食物繊維をとるほど腸内の酪酸生産菌を増やすことができます。
短鎖脂肪酸は他にプロピオン酸や酢酸などがあります。一般に調味料のお酢は酢酸を3~5%ほど含むので、お酢を薄めて飲むということも効果的かもしれません。
また酪酸菌はサプリとしても摂取することもできるため、Amazonや楽天で購入されてもいいかもしれません。
海藻を食べる
実は日本人にしか海藻を分解できないのです。昔から日本人が海藻をよく食べていたため、腸内で海藻の繊維を分解できる細菌が生育したと言われています。海藻も食物繊維が豊富です。昆布、わかめ、ひじき、もずく、アオサなどおいしい海藻をたくさん食べることによって、腸内環境を整えましょう。
トクホマークがついている発酵食品を選ぶ。
発酵食品の特定保健用食品には以下の4つの基準があります。
- 便性改善効果ががあること。これは、食べた後に便の増量や、下痢や便秘の改善といった明白な効果がみられます。
- 腸内のビフィズス菌が有意に増えること。
- 発がん関連物質を含めた腸内の有害物質が減少すること。
- その食品に含まれている菌が確実に大腸に達すること。
この4点すべてにおいて、きちんとデータも揃った論文を提出しなければ、トクホマークはつきません。この基準は相当厳しいそうですよ。それだけ身体へのいい影響は確かなものなのでしょう。トクホの発酵食品と言えば乳酸菌飲料やヨーグルトを中心に、明治ブルガリアヨーグルトやビヒダスプレーンヨーグルトなどがありますよね。他にもたくさんトクホの発酵食品があるので、ぜひスーパーなどで探してみてください。
ライ麦パンを食べる
白い食パンは精製された小麦粉でつくられているため、小麦の表皮に含まれている食物繊維やビタミン、ミネラルがほとんど残っていません。しかし、ライ麦パンは食物繊維が豊富であることに加え、腸内細菌バランスを整える乳酸菌の死菌も含まれています。なぜ乳酸菌の死菌が含まれているのでしょうか?ライ麦パンは、少し酸味がありますよね?それはライ麦が乳酸発酵しているからなです。乳酸菌の死菌は腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌の増殖を助けることによって腸内環境を整えることができます。
発酵茶で乳酸菌をとる。
カテキンがビフィズス菌以外の菌を抑制するために、結果的にビフィズス菌が増えます。緑茶だけでも効果はありますが、発酵茶(お茶の葉を乳酸発酵させたもの)を飲むことによって乳酸菌を摂ることができます。高知県の碁石茶、徳島県の阿波晩茶(あわばんちゃ)、中国のプーアル茶などが発酵茶になります。
オメガ3脂肪酸を摂る
脂肪には動物性脂肪と植物性脂肪があります。前述のとおり動物性脂肪をとりすぎると大腸がんのリスクを高めるます。それならば植物性脂肪ならいいのではないかと思うかもしれませんよね?しかし植物性脂肪も摂り過ぎはよくありません。食用油にはオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸があります。この2つは必須脂肪酸であり、体内でつくることができないため、外から摂取する必要があります。しかし、オメガ6脂肪酸はサラダ油やごま油など普段から摂取過多になっています。揚げ物や炒め物で多用しますよね。そのためオメガ3脂肪酸を意識的に摂取する必要があります。アマニ油やエゴマ油、青魚に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)を摂取しましょう。オメガ3脂肪酸を意識して摂るとアレルギー症状や、炎症、血管の劣化、認知症を防げるという研究結果があります。アマニ油やエゴマ油はスーパーの油コーナーに売っています。アマニ油でもエゴマ油でも、どちらかを一日に小さじ一杯摂取できれば十分です。
まとめ
腸内環境の善し悪しが健康か不健康かを左右するといっても過言ではないですね。善玉菌や食物繊維を意識して摂ることによって、腸内環境を整えていきましょう。
100歳まで元気な人は何を食べているか?: 腸内環境を整える「百寿者」の食習慣 (単行本)
- 作者: 辨野義己
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2016/09/18
- メディア: 単行本
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本日紹介した書籍情報
【書籍名】100歳まで元気な人は何を食べているか?
【著者名】辨野義美(べんの・よしみ)
【出版社】三笠書房
【出版日】2016 / 9 / 30
【オススメ度】★★★★★
【キーワード】腸内細菌、乳酸菌、長寿
【頁数】221ページ
【目次】
1章 100歳まで元気な人は「長寿菌」を食べている
2章 食物繊維の新常識ーー長寿菌をつくるすごい食材
3章 100歳まで元気な人はまず「血管」が若い!
4章 肌が若返る!免疫が高まる!発酵食品の食べ方
5章 生涯健康な脳で、人生を楽しむ食の知恵